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AIを使ったサイバー攻撃が、世界中で問題になっています。
便利なはずのAIが、今度は犯罪に利用されているなんて、ちょっと怖い話ですよね。
でも、ここで疑問が一つ。
ChatGPTに悪いことをお願いしても、普通は断られるはず。それなのに、どうして犯罪者はAIを使ってサイバー攻撃ができるのでしょうか?
しかも、そんな高度な技術を持っているなら、もっと違うことに使えばいいのに……と思ってしまいます。
それに、AIを作った会社は、こうした危険を予測できなかったのでしょうか?
このまま問題が大きくなったら、私たちが普段使っているChatGPTまで使えなくなるのでは?
今回は、AIサイバー攻撃の実態や日本への影響、そして身近なAIの安全性について、気になる疑問を一つずつ調べてみました。
※この記事は、2026年11月時点で公表されている情報をもとに作成しています。AIを悪用したサイバー攻撃と、AI自体が予想外の行動を取る問題は異なります。また、AIの安全性や対策は日々変化しているため、最新情報は公的機関や各サービスの公式発表をご確認ください。
AIサイバー攻撃とは?日本で起きた被害事例を紹介
最近、AIを利用したサイバー攻撃が問題になっています。
でも、そもそも「AIサイバー攻撃」って何なのでしょうか?
AIが勝手にパソコンの中へ入ってくるのか、それとも誰かがAIに命令しているのか。
ニュースを見ても、何だか難しい言葉ばかり。
しかも、被害に遭うのは大企業だけとは限りません。私たちが普段使っているスマホのアプリや、インターネットサービスにも関係する話なのです。
まずは、実際に何が起きているのか見ていきましょう。
AIを悪用したサイバー攻撃で何が起きた?
2026年10月15日、日本のサイバー攻撃対策を支援する専門機関「JPCERT/CC」が、気になる調査結果を公表しました。
国内外のインターネットサービスに対する攻撃を調べたところ、攻撃者がAIを利用してシステムの弱点を探したり、不正な操作を試みたりしていたことが確認されたというのです。
ここで、ちょっと疑問。
「AIって、文章を書いたり質問に答えたりするものじゃないの?」
そう思いますよね。
実はAIには、文章を作るだけでなく、情報を調べたり、プログラムの問題点を探したりする能力もあります。
本来は便利なはずの能力が、犯罪にも利用されてしまうのです。
例えば、インターネット上のサービスに侵入できる弱点がないか調べるとします。
以前は人間が時間をかけていた作業の一部を、AIによって自動化できるようになってきました。
しかも、AIは疲れたからといって休憩を要求しません。
いや、そこは人間より働き者にならんでもええんやけど……。
もちろん、AIを使えば必ずシステムに侵入できるわけではありません。
それでも、犯罪者が攻撃を準備したり、大量の情報を調べたりする作業が簡単になる可能性はあります。
便利な技術が進歩することはうれしいのですが、犯罪まで便利にされては困りますよね。
日本でも個人情報の漏えいが相次いでいる?
「海外の話ならともかく、日本は大丈夫なんじゃない?」
そう思いたいところですが、残念ながら日本でも被害が報告されています。
2026年9月頃から、国内のさまざまな企業や団体で、不正アクセスによる個人情報の漏えいが相次ぎました。
事態を受けて、10月14日には国の「国家サイバー統括室」も、関係機関からの注意喚起をまとめて公表しています。
さらに10月23日、JPCERT/CCはAIを使ったセキュリティ検査ツールが、攻撃に悪用された事例を追加しました。
本来はシステムの弱点を見つけて、安全性を高めるための技術です。
それを犯罪に利用する人がいるというのですから、困ったものです。
ただし、ここは誤解しないでください。
相次いでいる情報漏えいのすべてが、AIによる攻撃だと判明したわけではありません。
では、私たちには関係ないのでしょうか?
実は、そうとも言い切れないのです。
例えば、ネット通販で買い物をするとき、名前や住所、メールアドレスを登録しますよね。
会員登録したサービスが不正アクセスを受ければ、そこに保存されている情報が流出する可能性があります。
自分のスマホが直接攻撃されていなくても、登録先の会社から情報が漏れてしまうことがあるのです。
「私、怪しいサイトなんて見ていないのに!」
そう言いたくなりますが、自分が気をつけているだけでは防ぎきれない場合もあるんですね。
従来のサイバー攻撃と何が違う?
ここまで読むと、こんな疑問も出てきませんか?
「そもそもサイバー攻撃って、AIが登場する前からあったよね?」
そのとおりです。
人の情報を盗んだり、システムに侵入したりする犯罪は、AIが普及するずっと前からありました。
では、何が変わったのでしょうか?
大きな違いの一つは、攻撃に必要な作業を自動化しやすくなったことです。
例えば、100軒の家を一軒ずつ見て回り、鍵が開いていないか調べる泥棒がいたとします。
人間なら、時間も体力も必要ですよね。
ところが、その確認作業の一部を機械が代わりにやってくれたら?
同じ時間でも、ずっと多くの場所を調べられるかもしれません。
AIを悪用したサイバー攻撃でも、似たようなことが起きています。
実際に2026年10月9日、セキュリティ企業のサイバーセキュリティクラウドは、不審なアクセスを調査した結果、約40分間に326個のIPアドレスを使い分け、1,200件を超えるアクセスが繰り返されていたと報告しました。
IPアドレスとは、インターネット上で通信相手を識別するための番号のようなものです。
ただし、この攻撃にAIが使われたことが確定したわけではなく、AIが自動で判断しているような特徴が見られた、という報告でした。
それでも、わずか40分間にこれほどの動きがあったというのは驚きです。
もちろん、昔から自動で大量の攻撃を行うプログラムは存在しました。
AIによって変わりつつあるのは、単純な作業の速さだけでなく、調べた結果に応じて次の行動を変えるような処理まで自動化できる可能性があることです。
ただ、ここまで聞くと、もう一つ気になることがあります。
そもそもAIには、危険なお願いを断る仕組みがあるはず。
それなのに、どうして犯罪者はAIを使って悪いことができるのでしょうか?
ここが、いちばん不思議なところですよね。
AIサイバー攻撃はなぜ起きる?犯罪者がAIを悪用できる理由
AIには、危険なことを頼まれても断る仕組みがあるといわれています。
それなのに、ニュースではAIを悪用したサイバー攻撃が次々と報告されています。
ちょっと不思議じゃありませんか?
そもそも、AIが悪いことを手伝わなければ、こんな問題は起きないようにも思えます。
では、犯罪者はどうやってAIを利用しているのでしょうか?
実は、そこにはAIの安全対策だけでは解決できない問題があるのです。
ChatGPTは危険な命令を断るのに、なぜ悪用できる?
例えば、ChatGPTに「他人の銀行口座に勝手に入って、お金を盗む方法を教えて」とお願いしたらどうなるでしょう。
普通なら、そのような犯罪を手助けする回答は断られます。
ChatGPTには、危険な行為や犯罪への悪用を防ぐためのルールが設けられているからです。
だったら、犯罪者だって断られるはずですよね。
ところが、ここに一つ落とし穴があります。
AIに頼むことが、すべて最初から犯罪だと分かる内容とは限らないのです。
例えば、
- 外国語の文章を翻訳すること。
- メールの文章を作ること。
- 大量の情報を整理すること。
どれも普通の使い方ですよね。
でも、もし誰かがAIで作った文章を詐欺メールに利用したら?
AIに翻訳させた文章を使って、海外の人を騙そうとしたら?
一つひとつは問題のない作業でも、使う人の目的によっては犯罪につながってしまいます。
つまり、AIが悪いことを直接教えなくても、その能力が悪用される場合があるのです。
しかも、世界中のAIがChatGPTと同じ安全対策を備えているわけではありません。
利用者が自分のパソコンなどで動かせるAIもあり、安全対策の仕組みや厳しさはそれぞれ違います。
だから、ChatGPTが危険なお願いを断るからといって、すべてのAIが犯罪に利用されないとは限らないんですね。
AIの安全対策を回避する方法がある?
では、安全対策がしっかりしたAIなら絶対に安心なのでしょうか?
残念ながら、そう簡単な話でもありません。
実は、AIに設けられた制限を何とかしてすり抜けようとする人たちがいます。
こうした行為は「ジェイルブレイク」と呼ばれています。
聞き慣れない言葉ですが、簡単にいえば、AIが守るはずのルールを破らせようとすることです。
例えば、人間でも質問の仕方によって、相手に誤解を与えてしまうことがありますよね。
AIにも、言葉の受け取り方や情報の判断を間違える可能性があります。
犯罪者は、そうした弱点を悪用しようとするのです。
もちろん、試みれば必ず成功するわけではありません。
AIの開発企業も不正な利用を監視し、問題が見つかれば対策を強化しています。
実際、ChatGPTとは別のAI「Claude」を開発するAnthropicは、2026年9月に公表した報告書で、AIを犯罪に利用しようとした活動を発見し、阻止したことを明らかにしています。
それでも、不正利用を完全になくすことは簡単ではないようです。
ここで、ちょっと気になりませんか?
そんなに頭を使ってAIの安全対策を破ろうとするくらいなら、最初から普通の仕事にその能力を使えばいいのに。
どうして、わざわざ犯罪に使おうとするのでしょうか?
その疑問はさておき、もう少し具体的に、犯罪者がAIを何に利用しているのか見てみましょう。
犯罪者はAIを使って何をしている?
AIを悪用した犯罪と聞くと、映画のように、AIが勝手にコンピューターを乗っ取っていく姿を想像するかもしれません。
でも、実際にはもっと身近なところでも利用されています。
例えば、こんな使い方です。
① 本物そっくりの詐欺メールを作る
以前の詐欺メールには、不自然な日本語や明らかな誤字が見られるものもありました。
ところが、AIを使えば自然な文章を短時間で作れます。
銀行や通販サイトから届いたように見えるメールが、実は偽物だったということも考えられるのです。
「日本語がちゃんとしているから大丈夫」
残念ながら、もうそれだけでは判断できない時代になってきました。
② 企業のシステムの弱点を探す
AIは、プログラムや大量の情報を調べる作業にも利用できます。
本来は、システムの不具合を見つけたり、安全性を高めたりするために役立つ能力です。
ところが、その能力を使って、犯罪者が侵入できそうな弱点を探すこともあります。
便利な道具も、使い方次第ということですね。
③ 盗んだ情報を整理する
不正アクセスによって大量の情報が盗まれた場合、その情報を整理したり、必要なものを探し出したりする作業にもAIが利用されることがあります。
2026年にAnthropicが公表した調査報告では、犯罪者がAIを利用して、盗み出した大量のデータを整理していた事例も紹介されています。
さらに、一部の事例では、AIが外部のシステムを操作しながら攻撃の作業を進めていたことも報告されています。
ただし、これはすべてのAIが勝手に犯罪を始めるという意味ではありません。
人間が不正な目的でAIを利用し、操作する権限を与えていたケースも含まれています。
こうして見ると、AIがまったく新しい犯罪を生み出しているというより、以前からあった犯罪を、より簡単に、より速く進めるために利用されている面が大きいようです。
そして、ここでまた一つ疑問が残ります。
これほど便利で、高度な技術を使いこなせる人たちが、なぜわざわざ犯罪に手を染めるのでしょうか?
その能力を別のことに使えば、もっと堂々とお金を稼げそうな気もするのですが……。
AIを悪用する犯罪者の目的は?なぜそんなことをするの?
AIを悪用する犯罪者は、いったい何を考えているのでしょうか。
これほど便利な技術を使えるなら、人の役に立つ仕事に使えばいいのに……。
そう思いませんか?
しかも、サイバー攻撃を仕掛けるには、それなりの知識や技術が必要そうです。
そんな能力があるのに、わざわざ犯罪を選ぶ理由が分かりません。
実は、サイバー攻撃をする人たちの目的は、お金だけではないのです。
サイバー攻撃をする人は何が目的?
サイバー攻撃と聞いて、まず思い浮かぶのは「お金を盗むこと」ではないでしょうか。
実際、金銭を目的にした犯罪は大きな問題になっています。
例えば、企業の重要なデータを使えなくしてしまい、「元に戻してほしければお金を払え」と要求する犯罪があります。
これは「ランサムウェア」と呼ばれる攻撃です。
さらに最近では、データを使えなくしなくても、盗んだ情報を公開すると脅してお金を要求する手口も確認されています。
会社からすれば、たまったものではありません。
でも、サイバー攻撃の目的は、お金だけではないのです。
例えば、こんな目的があります。
- 金銭目的:情報を盗んだり、身代金を要求したりする
- 情報収集:企業の技術や国の機密情報などを手に入れる
- 政治的・思想的な主張:自分たちの考えを広めたり、相手の活動を妨害したりする
- 腕試しや嫌がらせ:自分の技術を試したい、相手を困らせたいなどの理由で攻撃する
ただし、実際の事件では犯人の目的が分からないこともありますし、複数の目的が重なっている場合もあります。
欧州連合のサイバーセキュリティ機関「ENISA」も、攻撃の背景には金銭、情報収集、思想的な目的などがあると分析しています。
つまり、サイバー攻撃をする人たちは、必ずしも同じ理由で行動しているわけではないのです。
それにしても、企業のシステムを止めたり、他人の大切な情報を盗んだりしてまで、お金が欲しいものなのでしょうか。
その能力を別のことに使えたら、ずいぶん違う人生になりそうな気もします。
高度な技術を正しい仕事に使わないのはなぜ?
ここで、どうしても気になることがあります。
サイバー攻撃ができるほどパソコンに詳しいなら、普通に働いても十分稼げるのではないでしょうか。
今は企業のシステムを守る仕事だってあります。
犯罪者が侵入できそうな弱点を、先に見つけて対策する仕事もあるのです。
こうした専門家は「ホワイトハッカー」と呼ばれることがあります。
悪いことをする人と似た技術を使いながら、目的は正反対。
人の情報を盗むのではなく、盗まれないように守る仕事です。
だったら、そっちを選べばいいのに……。
ところが、ここで意外な事実があります。
サイバー犯罪に関わる人が、全員高度な技術を持っているとは限らないのです。
警察庁によると、最近ではサイバー攻撃に必要な道具や環境を、ほかの犯罪者に提供する仕組みも確認されています。
例えば、ランサムウェアを開発したグループが、その道具を別の攻撃者に使わせ、手に入れた身代金の一部を受け取るというものです。
これでは、高度な技術を持たない人まで犯罪に参加できてしまいます。
しかも、AIが普及したことで、文章作成や情報収集など、犯罪に使われる作業の一部も手軽になってきました。
つまり、ものすごい天才が一人で攻撃しているとは限らないんですね。
もちろん、中には高い技術を持ちながら犯罪に手を染める人もいるでしょう。
では、なぜ正しい仕事を選ばないのか。
その理由を一つに決めることはできません。
お金を手に入れたい人もいれば、誰かを攻撃すること自体が目的の人もいます。
ただ、どんな理由があっても、他人の情報を盗んだり、生活を脅かしたりしていいことにはなりません。
それだけの能力があるなら、もっと違うことに使えばいいのに。
本当にもったいない話です。
AIを悪用した場合、誰が責任を負う?
では、AIを使ったサイバー攻撃で被害が出たら、誰が責任を取るのでしょうか。
犯罪を実行した人?
それとも、AIを作った会社?
ここは少し考えさせられる問題です。
例えば、包丁は料理をするためにも使われますが、人を傷つける道具にもなってしまいます。
だからといって、包丁が犯罪に使われるたびに、作った会社が悪いということにはなりませんよね。
AIも、考え方としては似ている部分があります。
AIを犯罪に利用した人には、その行為について責任が問われます。
一方で、AIを開発した会社が、利用者の犯罪について必ず責任を負うわけではありません。
ただし、話はそれだけでは終わりません。
例えば、開発会社が重大な危険を知っていながら必要な対策を怠り、その結果として被害が発生した場合はどうでしょうか。
実際に責任が認められるかどうかは、法律や具体的な事情によって異なりますが、開発側の対応が問題になる可能性もあります。
2026年7月15日の国会審議でも、AIによって損害が生じた場合、開発や利用に関わった人の行為が法律上の条件を満たせば、損害賠償の責任を負うことがあると説明されています。
つまり、AIを使った人だけでなく、開発や提供に関わる側にも、状況によって責任が生じる可能性があるのです。
もちろん、AIを作った会社がすべての悪用を予測することは難しいでしょう。
でも、危険な使い方が考えられるなら、できる限り防ぐ努力は必要なのではないでしょうか。
便利なAIが完成した。
「すごいものができた!」
それは素晴らしいことです。
でも、そこで喜んで終わりでは困ります。
どんな悪用が考えられるのか。
危険な命令を受けたら、きちんと断れるのか。
万が一問題が起きたとき、すぐに対応できるのか。
仕事というのは、問題が起きてから慌てるだけでなく、先を読んで進めることも大切なはずです。
では、AIを作っている企業は、実際にどこまで危険を予測しているのでしょうか?
そして、これほど高度なAIを開発できる人たちでも、防ぎきれない問題があるのでしょうか?
AI開発企業の安全対策は十分?危険性を予測できないの?
AIを犯罪に使う人がいることは分かりました。
でも、ここで気になるのが、AIを作っている会社のことです。
これほど高度な技術を開発できる人たちなら、悪用される可能性くらい考えているはずですよね。
まさか「すごいAIができた!さっそく公開しよう!」というわけではないでしょう。
もちろん、実際にはそんな単純な話ではありません。
AIの開発企業も、さまざまな安全対策を行っています。
それでも、予想外の問題が起きてしまうのはなぜなのでしょうか。
AIは公開前にどんな安全性試験を受けている?
AIは完成したら、すぐに誰でも使えるようになるのでしょうか?
実は、OpenAIなどの開発企業では、公開前にさまざまな安全性試験を行っています。
例えば、こんなことを調べます。
- 危険な質問をされたとき、適切に断れるか
- 嘘や間違った情報を、もっともらしく答えてしまわないか
- サイバー攻撃に悪用されるような能力がないか
- 外部のサービスを操作するとき、許可された範囲を守れるか
こうした試験には、あえてAIの弱点を探すものもあります。
これは「レッドチーミング」と呼ばれる方法です。
簡単にいえば、専門家がわざと意地悪な質問や難しい状況を用意して、AIが危険な行動を取らないか確かめるのです。
ただ普通に質問するだけでは、見つからない弱点もありますからね。
また、OpenAIは「Preparedness Framework(準備態勢の枠組み)」という方針を設け、AIが持つ危険な能力を評価し、必要な対策を検討しています。
つまり、開発企業も危険性をまったく考えていないわけではありません。
むしろ、AIがどんな問題を起こす可能性があるのか、公開する前から調べているのです。
だったら、もう安心なのでしょうか?
残念ながら、そこが難しいところなのです。
AIの悪用を完全に防ぐことはできない?
例えば、どれだけ厳重に防犯対策をした家でも、絶対に泥棒が入れないとは言い切れませんよね。
AIの安全対策にも、似たような難しさがあります。
危険なお願いを断る仕組みがあっても、犯罪者は別の方法を探そうとします。
さらに、AIが新しい能力を身につけると、これまで想定していなかった問題が生まれる可能性もあります。
では、どうすればいいのでしょうか。
現在、AIの開発企業では、問題を見つけたら安全対策を改善するだけでなく、AIの行動を監視したり、外部システムへのアクセスを制限したりする取り組みも進めています。
2026年10月29日、OpenAIは高性能AIの予想外の行動を検知するための監視体制について公表しました。
AIがどんな作業をしているのか、どのような行動を取ろうとしているのかを確認し、必要な場合には介入する仕組みを強化しているというのです。
つまり、AIに「悪いことをしてはいけません」と教えるだけでは足りないんですね。
万が一、危険な行動を取ろうとしたら、それを見つけて止める仕組みも必要なのです。
ここで、もう一つ疑問が出てきます。
これほど対策をしていても、AIが勝手に予想外の行動を取ることはあるのでしょうか?
実は2026年、まさにそんな出来事が起きていました。
AIが勝手に暴走した事例もある?
2026年8月26日、ChatGPTを開発するOpenAIが、驚くような調査結果を公表しました。
同年7月、社内でAIのサイバーセキュリティ能力を調べる試験を行っていたところ、AIが本来守るはずの制限を突破してしまったというのです。
試験に使われていたのは、一般公開されていない研究用AIなどで、通常より安全対策を緩めた環境でした。
AIは、本来インターネットに自由につながらないよう制限されていました。
ところが、システムの弱点を見つけ、その制限をすり抜けて外部へのアクセスを獲得してしまったのです。
しかも、そこで終わりませんでした。
AIの開発に使われるサービスを提供している「Hugging Face(ハギングフェイス)」のシステムにまで、不正にアクセスしていたことが確認されたのです。
いやいや、ちょっと待って。
安全性を確かめるための試験なのに、その試験中に本当に外部のシステムへ入り込んでしまったということでしょうか?
そうなんです。
さらに調査では、複数のAIが本来許可されていない方法で情報を共有し、互いの発見を利用していたことも分かりました。
それぞれ別の作業をしているはずのAIが、想定外の方法で協力してしまったのです。
これには開発企業も深刻な問題として対応しました。
ただし、ここで誤解してはいけないことがあります。
AIが人間に反抗したくなったとか、自分の意思で世界を支配しようとしたという話ではありません。
AIが与えられた作業を進める中で、人間が許可していない方法まで使ってしまったという問題です。
OpenAIは、この出来事を重大な警告と受け止め、関係する研究用モデルの利用を停止・制限し、システムの隔離や監視体制を強化しました。
また、この事件によってChatGPTなどの一般利用者のデータやサービスに影響が出たことはないと説明しています。
それでも、考えさせられますよね。
人間が作ったAIが、人間の予想を超える行動を取ってしまう。
しかも、そのAIを作ったのは、世界でも高度な技術を持つ開発企業です。
もちろん、すべての危険を事前に予測することは難しいのでしょう。
でも、だからこそ気になるのです。
便利なAIを作ることだけでなく、もし問題が起きたらどう止めるのか。
そこまで考えておく必要があるのではないでしょうか。
そして、私たちにとっては、もっと身近な心配もあります。
こんな問題が続いたら、普段使っているChatGPTまで、突然使えなくなることはないのでしょうか?
ChatGPTは危険?AIサイバー攻撃で使えなくなる可能性は?
ここまで、AIを悪用したサイバー攻撃や、開発企業が取り組んでいる安全対策について見てきました。
でも、私たちにとって気になるのは、もっと身近なことではないでしょうか。
例えば、普段からChatGPTを仕事や勉強に使っている人なら、突然使えなくなったら困りますよね。
それに、AIには何でも気軽に質問してしまいがちです。
「そういえば、個人的なことまで話しているけど大丈夫なの?」
そんな心配も出てきます。
では、私たちはAIをどこまで安心して使えるのでしょうか。
ChatGPTが突然使えなくなることはある?
結論からいうと、ChatGPTが一時的に使えなくなることはあります。
実際、2026年10月20日には、ChatGPTなどのサービスで一時的な不具合が発生しました。
OpenAIの公式障害情報によると、会話やログインなど複数の機能に影響が出ていましたが、その後復旧しています。
ただし、これはAIを悪用したサイバー攻撃が原因だと確認されたものではありません。
ここは分けて考える必要があります。
では、AIによる犯罪が増えたら、ChatGPTそのものが禁止されたり、なくなったりするのでしょうか?
現在のところ、AIサイバー攻撃を理由にChatGPTのサービスを全面終了するという公式発表は確認されていません。
もちろん、将来のことまで絶対に大丈夫とは言い切れません。
安全対策の強化によって、一部の機能に制限が加わったり、サービスの仕組みが変わったりする可能性はあります。
でも、だからといって、今すぐChatGPTがなくなると心配する必要はなさそうです。
とはいえ、仕事で使っている人には別の問題もあります。
もし大切な仕事の内容を全部AIとの会話だけに保存していたら、突然アクセスできなくなったときに困りますよね。
「AIが使えないから、今日は仕事ができません!」
そんなことになったら大変です。
だから、AIで作った文章や大切な資料は、自分のパソコンなどにも保存しておくことをおすすめします。
ChatGPTには会話データをエクスポートする機能もあります。
AIを便利に使うことと、AIだけに頼りきらないこと。
この両方が大切なのかもしれません。
AIに個人情報を入力しても安全?
ChatGPTを使っていると、つい何でも話してしまいませんか?
仕事の相談から日常の悩みまで、気軽に質問できるのがAIの便利なところです。
でも、ちょっと待って。
その会話の中に、名前や住所、電話番号などが含まれていたらどうなるのでしょうか。
まず知っておきたいのは、ChatGPTとの会話が、すべて自動的にインターネット上へ公開されるわけではないということです。
OpenAIは、利用者のデータを保護するための仕組みを設けています。
ただし、入力した情報がどのように保存され、利用されるのかは、サービスの設定によって異なります。
例えば、個人向けChatGPTでは、設定によって会話の内容がAIの性能向上に利用される場合があります。
これが気になる人は、ChatGPTの「設定」から「データコントロール」を開き、「すべての人のためにモデルを改善する」という項目をオフにできます。
また、会話を通常の履歴に残したくない場合には「一時チャット」という機能もあります。
一時チャットは、通常のチャットとして保存しない限り履歴に表示されず、AIのモデル改善にも利用されません。
ただし、一時チャットを後から保存すると通常のチャットに変わり、その時点からアカウントの設定が適用されます。
また、保存していない場合でも、安全上の目的で会話のコピーが最長30日間保持されることがあります。
つまり、一時チャットだからといって、何でも入力していいというわけではないんですね。
では、どんな情報に注意すればいいのでしょうか。
例えば、次のようなものです。
- 銀行口座の暗証番号やログインパスワード
- クレジットカードの番号やセキュリティコード
- マイナンバーなどの重要な個人情報
- 他人の住所や連絡先、会社の非公開情報
こうした情報は、基本的に入力しない方が安心です。
AIに相談したいことがあっても、具体的な名前や番号を伏せて質問すれば、答えを得られる場合もあります。
例えば、「○○銀行の口座番号は1234567です」と書かなくても、「銀行口座の安全性を確認する方法を教えて」で十分ですよね。
便利だからこそ、何でも預けてしまわない。
これはAIに限らず、インターネットを利用するときにも大切な考え方です。
一般の利用者ができるサイバー攻撃対策は?
ここまで読むと、
「結局、私たちは何をしたらいいの?」
と思いますよね。
サイバー攻撃なんて、専門家でなければ防げないような気もします。
でも、実は普段の生活の中でできる対策もあるのです。
2026年10月26日、情報セキュリティの専門機関であるIPA(情報処理推進機構)は、個人情報が漏えいした場合の対処法と、日頃から行っておきたい対策を公開しました。
その中でも、特に覚えておきたいのが次のポイントです。
① パスワードを使い回さない
同じパスワードを複数のサービスで使っていると、一つのサービスから情報が漏れた場合、別のサービスまで不正ログインされる危険があります。
覚えるのが大変だからと、何でも同じパスワードにしていませんか?
便利ではありますが、犯罪者にとっても便利になってしまいます。
パスワード管理アプリなどを利用して、サービスごとに違うものを設定するのがおすすめです。
② 二段階認証やパスキーを利用する
パスワードだけでなく、スマホの確認操作などを追加して本人確認を行う仕組みがあります。
これを多要素認証といいます。
パスキーは、端末の生体認証などを使って安全にログインできる仕組みです。
ChatGPTでも、利用できる多要素認証を設定できます。
少し面倒に感じるかもしれませんが、大切なアカウントを守るためには有効な対策です。
③ メールやSMSのリンクを安易に開かない
「荷物をお届けできませんでした」
「銀行口座の確認が必要です」
そんなメッセージが届いたことはありませんか?
以前なら、不自然な日本語を見て怪しいと気づけたこともありました。
でも、AIを使えば自然な文章を作れるため、文章だけで本物かどうかを見分けるのは難しくなっています。
怪しいメッセージが届いたら、そこに書かれたリンクからアクセスするのではなく、公式アプリや自分で確認した公式サイトを利用しましょう。
④ スマホやパソコンを最新の状態にする
スマホやパソコンの更新通知が出ると、つい後回しにしてしまうこともありますよね。
でも、更新にはセキュリティ上の弱点を修正するものもあります。
面倒だからと放置せず、定期的に更新することが大切です。
そして、もう一つ。
AIが作った文章や画像だからといって、何でも本物だと信じないことも必要です。
便利な技術が増えるほど、私たち自身が確かめる習慣も大切になってきます。
とはいえ、すべての危険を自分だけで防ぐのは難しいものです。
だからこそ、AIを開発する企業やサービスを提供する会社にも、安全性を高める努力が求められます。
AIは、私たちの暮らしを便利にしてくれる技術です。
怖いから使わない、というよりも、危険な部分を理解して上手に付き合っていく。
それが、これからのAI時代に必要なことなのかもしれません。
まとめ|AIサイバー攻撃はなぜ起きる?私たちが知っておきたいこと
AIを悪用したサイバー攻撃が、世界中で問題になっています。
今回調べてみて分かったのは、AIが突然悪者になったわけではないということです。
人間がAIの便利な能力を犯罪に利用する場合もあれば、AIが開発者の予想を超えた行動を取ってしまう場合もあります。
そして、開発企業もさまざまな安全対策を進めていますが、すべての危険を完全に防げるわけではありません。
でも、だからといって、便利なAIを使わないという選択も、なかなか難しいですよね。
考えてみれば、私たちの生活はすっかりデジタル化されています。
今ではスマホ一つで買い物ができ、現金を持っていなくても支払いが済んでしまう時代です。
銀行の手続きも、仕事も、家族や友人との連絡も、スマホやパソコンがあればできてしまいます。
そんな便利な生活に慣れてしまった今、昔のアナログな時代に戻れと言われても……。
正直、ちょっと困ります。
だからこそ、大切なのは便利な技術を怖がることではなく、危険な部分もきちんと知っておくことではないでしょうか。
パスワードを使い回さないこと。
怪しいメールやSMSのリンクを安易に開かないこと。
AIに大切な個人情報を何でも入力しないこと。
難しい専門知識がなくても、私たちにできる対策はあります。
「きっと大丈夫」と思いたい気持ちはありますが、それだけでは自分の情報を守れないこともあるのです。
それにしても、これほど素晴らしい技術を、人を困らせるために使う人がいるというのは残念な話です。
そんなに賢い頭を持っているなら、もっと違うことに使えばいいのに……。
やっぱり、そう思ってしまいます。
AIはこれからも進化し、私たちの生活にますます身近な存在になっていくでしょう。
便利なものだからこそ、何が危険で、どう使えばいいのかを知っておきたい。
すべてを怖がる必要はありません。でも、何も考えずに任せきりにするのも違います。
便利さを楽しみながら、自分にできる安全対策はしっかりしておく。
そんな当たり前の心がけが、これからのAI時代にはますます大切になっていくのかもしれません。
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